小教区報2月号巻頭言
- mizunoseigi
- 2022年2月11日
- 読了時間: 2分
笠利小教区報「アンジェラスの鐘」2022年2月号の巻頭言です。

巻頭言 :「鬼 はどこへ?」
主任司祭 ルカ内野洋平
もうすぐ節分。「鬼はそと~、福はうち~」
幼稚園で働いていたころ、バスの運転手さんと共に節分行事
での役割は決まって鬼役を任されていた。怖い鬼の形相のメイ
クに、全身一枚のタイツウェアと虎のパンツ、カツラはアフロ
ヘアーに角、手には金棒を持って鬼の変装にもぬかりない。 2月の寒空のもと、園庭で待ち構える 230 名ほどの子どもたちのもとへ、いざ出陣!。
「悪い子はいないか~」「悪い子はいないか~」と叫びながら子どもたちに襲いかかる。
「悪い子はいましぇ~ん」と半泣きの子ども、思いっきり豆をぶつけて勇敢にも応戦してくる子ども。
「痛っ!イタっ!マジでイタっ!」。
こっちが本気なら、子どもたちも本気。広い園庭を逃げ回り、汗でびっしょり、鼻水タラタラ、息切れに動悸。体力の限界を感じたところで、年輩のおじさん鬼役を引き連れて、園から退散。終わってみれば、鬼のメイクは汗で流れ落ち、元どおりの顔。
イエスさまも節分行事を大切にしていた。
「汚れた霊に向かって、『この人から出ていけ』」って。
「鬼はそと~、福はうち~」
でもイエスさまの鬼退治はちょっと違う。
「内か外か」、そういう考えを追い出したかった。
それが人間の心に鬼をもたらすから。
いのちに、内も外もない。右も左もない。
いのちは包まれて、いのちを取り戻す。
イエスさまは、いつもいのちが「真ん中」。
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