2023年8月14日「今日のワン」メッセージ
「神はここにおられる」

今日はコルベ神父様のお祝い日。
コルベ神父様を教会の保護者とする喜界島教会の信者たちと共にミサを捧げた。
喜界島教会はコルベ神父が列聖された1982年に献堂されてから40年を迎えた。これまでの信仰の歩みを支え導いてくださった神様の恵みとコルベ神父のご保護に感謝しながら、これからも必要な助けが与えられるようにと、信仰を新たにす
る機会となった。
昨日、主日ミサの第一朗読で読まれた列王記の箇所(上19・9a,11-13a)には、次のように記されている。「主の御前には激しい風が起こり、山を裂き、岩を砕いた。しかし、風の中には主はおられなかった。風の後に、地震が起こった。しかし、地震の中にも主はおられなかった。地震の後に火が起こった。しかし、火の中にも主はおられなかった」と。恐れと不安を抱く出来事にあって「神はいったいどこにおられるのか」と、神を探し求めて彷徨うエリヤの心中がここには象徴的に示されている。
歴史上最も死の恐怖と憎しみによって深い暗闇にあったアウシュヴィッツ収容所。第2次世界大戦の末、アメリカ連合軍がナチスを倒し制圧したとき、このような出来事があった。アメリカ軍の一人の兵士がアウシュヴィッツ収容所内の見廻りをしていたとき、室内の壁に次のような言葉が刻まれているのを見つけた。「神はどこにおられるのか」。その言葉を目にした彼は、ここに私もいたらきっと同じような疑問を抱くだろうとそう思いながら通り過ぎようとしたとき、その言葉の下に別の言葉が書かれているのを見つけた。「神はここにおられる」と。そして、またその下には「神の愛は計り知れない。神の愛は永遠」と書き遺されていた。この言葉を書いた人が誰であるかは分からない。しかし、きっとこの人は「神などいない」と誰もが感じるであろうとその場所で、神を求め、神の存在を感じ、深い慰めを見い出した人に違いない。
究極の死の恐怖と闇に支配されていたあの場所で、コルベ神父の証しは「神はここにおられる」という神の愛の証しに他ならない。私たちは試練や困難の中にあるとき、その恐れと不安によって神様の存在が遠く感じられてならない時がある。そのような私たちの信仰にコルベ神父の生き方は励ましと慰めを与え、力づけてくれる。「暗闇のあるところには光を、憎しみのあるところには愛を、争いあるところに平和を」。聖フランシスコの精神を生きたコルベ神父の心を駆り立てていた神様の愛に日々生かされ、「いつもあなたがたと共にいる」と約束されたイエスさまの言葉に信頼して、これからも神の愛に応えていく歩みでありますように。
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