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「今日のワン」(190)

2023年8月5日「今日のワン」メッセージ

主の変容の祝日「夏の祈りの風物詩」

今日、私たちは「主の変容」(マタイ17・1-9)をお祝いします。この主の変容の出来事を体験した一人であるペトロは、第2朗読「使徒ペトロの手紙(二ペトロ1・16-19)」においても、その時の体験を振り返り、手紙として書き記しています。それだけペトロにとって「主の変容」の出来事は、心に残る忘れられない体験だったのでしょう。

ところで8月3日から6日まで予定されていた奄美まつりの多くの行事は台風の影響により中止または延期となりました。中でも、子どもから大人までみんなが楽しみにしている花火大会は現在日程調整中のようです。私も4日金曜日に予定していた花火大会を新川沿いから見ようと楽しみにしていましたが、延期という知らせを聞き、少し残念に思いながらも、その代わりと言うわけではありませんが、ちょうど2日の夜に新潟県の長岡まつりの花火大会がネットで生中継されていました。長岡の花火大会と言えば日本三大花火大会の一つで、8月2日と3日の2日間に2万発もの花火が打ち上げられ、毎年100万人以上の来場客で賑わう花火大会です。そう言われるだけあって、夜空に打ち上げられる花火はとてもキレイで美しく色鮮やかで、部屋の中を暗くしながら、現地に訪れている見物客のようにスマホを片手に、パソコン越しで写真を撮るほどに見ごたえのある花火大会でした。中でも夜空に咲く三尺玉の大輪はネットを通しても見ごたえ十分で、圧巻でした。その長岡市内に流れる信濃川の河川敷から打ち上げられるこの花火大会は78年前の昭和20年8月1日に起きたアメリカ軍による長岡空襲で犠牲となった人々への慰霊と平和の願いを込めて、それ以来毎年打ち上げられている花火大会です。戦争犠牲者の慰霊と平和の祈りが込められた長岡の花火大会は、単なるお祭りではなく、夏の祈りの風物詩として感慨深く味わうことができる花火大会です。それが毎年この夏に多くの来場客の心を惹きつける由縁でもあり、平和への思いを新たにする機会にもなっているのでしょう。

今日祝う「主の変容」の出来事は、教会では古くから夏の「復活祭」とも呼ばれている祝日です。「イエスの顔は太陽のように輝き、その服は光のように白くなった」と、復活の栄光の姿へと変貌したイエスさまの姿が描かれています。あるテレビ番組でファッションモデルまたタレントとして活躍している芸能人のアンミカという人が、「白って200色あんねん」と言って、その発言が話題になったことがありました。デザイナーの世界では白色といっても一色ではなく、光の当たり方によってその濃淡が200色あるとされているそうです。(ちなみに、黒色も一色ではなく300色あるそうです)。そう考えると、3人の弟子たちが目の当たりにしたイエスさまの変容した姿というのはそれ以上のどれほど神秘的で輝きに満ちたものだったのかと思わされます。その光景を見たペトロはあまりの美しさに心打たれて思わず「私たちがここにいることはすばらしいことです」と口にするほどでした。

この忘れられない体験をしたペトロは、この出来事が後に十字架の苦しみを経て復活の栄光に輝くイエスさまの姿を前もって示すものであったことを悟り、モーセとエリヤという旧約を代表する預言者たちが語ってきた神様の救いは、このキリストによって実現し、確かなものとされ、この約束された復活の喜びを通して人々に励ましを与える手紙を記しています。今日の「主の変容」の出来事は、私たちに約束されている復活の喜びと希望を新たにしてお祝いする日です。

その「主の変容」の祝日である今日、8月6日は広島原爆の日にあたっています。原爆で亡くなられた方々とすべての犠牲者のために祈りを捧げたいと思います。そして今日から終戦記念日までの10日間、私たちは平和旬間を過ごしていきます。広島、長崎の原爆、そして終戦記念日、これらの過去の負の遺産として刻まれた出来事を思い起こしながら、平和のために祈り、そして平和への誓いを新たにする機会です。未だ戦闘が続くウクライナとロシアの人々の平和のためにも祈りましょう。戦争や武力によって夜空に飛び交う銃弾や爆弾によって赤く炎が燃え広がる光景ではなく、みんなが安心して喜びと幸せに満ちた暮らしと平和な世界が実現するよう、「御国が来ますように。御心が天に行われるとおり、地にも行われますように」と主の祈りを捧げましょう。ペトロが目にした光輝くイエスさまの変容した姿というのは、罪の闇に打ち勝った愛とゆるしによってもたらされる平和への道です。「ここにいることはすばらしいことです」とそのように思える社会、そして世界の平和の実現のために、私たち一人一人がそのキリストの姿に変えられて、互いの関わりの中に愛と平和を築いていく恵みと導きが与えられますように、平和への祈りを込めて今日のミサを捧げていきましょう。





















































































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