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「今日のワン」(186)

2023年7月9日「今日のワン」メッセージ

年間第14主日説教 「二つの招きと約束」

夏を迎えていますが、今日も30度を超えるうだるような暑さでした。夏は始まったばかりですが、すでに夏バテをしている方はいないでしょうか。携帯画面のお天気情報にには「熱中症警戒アラート」のアイコンが連日表示され、これからも猛暑日が続くと思いますが、どうぞくれぐれも熱中症には十分気をつけて、この夏を過ごしていただきたいと思います。また新聞や広告などを見ていましたら、さまざまな楽しそうな夏の行事や催しも予定されていて、また皆さんの中には夏休みの休暇を利用して島外に旅行へ出かける方もおられると思います。それぞれに楽しい夏の思い出を作って過ごしていただきたいと思います。

さて、今日の福音箇所は私たちが良く知っているイエスさまの有名な言葉が記されている箇所です。今日のイエスさまの言葉には、私たちに対する二つの招きと約束の言葉がありました。

一つ目の招きと約束の言葉は、「疲れた者、重荷を負う者はだれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう」という言葉です。「わたしのもとに来なさい」「休ませるから」と、疲れた者、重荷を負っている者に対するイエスさまの優しさが伝わってくる招きと約束の言葉です。みんな、それぞれの歩みの中で様々な重荷を負っています。何の重荷も負っていない、そんな人は一人もいないと思います。進学のこと、就職のこと、職場でのこと、将来のこと、健康のこと、家族のこと、介護のことなど心配していることがあります。誰もが重荷を負い、多少なりとも疲れを覚えています。だから、この「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。」というイエスさまの御言葉は、すべての人に向けられている招きの言葉です。イエス様は「わたしのもとに来なさい。」と招かれます。そうすれば休めると言われます。この「休む」という言葉には、「新しい活力を与える」「再び元気になる」という意味が込められている言葉です。イエスさまのもとに来れば、重荷がなくなって楽になるという意味ではなくて、重荷を負って歩み続けている私たちが、疲れた心と体とを休ませて、再び元気に歩み出すことが出来るようにしてあげようと、そういう招きと約束の言葉です。

どのようにして、イエスさまは私たちが疲れた時、重荷を負っている歩みに再び元気を与えてくれるのか、それが二つ目の招きと約束の言葉にかかっています。

それは、「わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、安らぎを得られる」という言葉です。ここで、イエスさまは「わたしの軛を負い、わたしに学びなさい」と、招いています。「学ぶ」というのは、単に頭で知識的に学ぶという意味だけではなくて、「からだで学ぶ」という意味合いがあります。「からだで学ぶ」つまり、「身に付ける」、「生き方にしていく」という意味が強調されている言葉です。それは、弟子が師匠のすることを見て学んで倣い、知識や技術を身に着けて自分の生き方にしていくようなものです。そこには修行(訓練)のような忍耐を必要とする時があって、それを経て、上達して一人前になって成長していく喜びがあります。イエスさまとの関わりにおいて、その生き方から学ぶことによって新しい世界観(価値観)と出会い、新しい自分を見い出していく喜びです。

その「学び」の内容が、「わたしの軛を負う」ということです。「軛」というのは、2頭の牛の首に横木を取付けて、進むべき方向へと導くための道具のことです。首の後ろに横木を取り付けた2頭の牛の姿は、頭(こうべ)を垂れた姿をしています。これは、へりくだった、謙遜な生き方を表わしています。イエスさまが「わたしは柔和で謙遜な者」と言われているように、その柔和でへりくだった生き方をイエスさまと共に歩みながら学んでいくようにという意味があります。「柔和で謙遜」な生き方と反対の生き方というのは、「頑固で驕り高ぶった」生き方です。出エジプト記には、イスラエルの民が神様から示された生き方に度々逆らい、彼らのそのような姿を見て、「頑なな民たち」と神様が表現している箇所があります。「頑なな者、頑固な者」というこの言葉には、「うなじを固くする者」という意味があります。うなじが固い姿は、頭(こうべ)を垂れた姿とは対照的な生き方を示す言葉です。だから、このイエスさまが言われる「わたしの軛を負う」という学びは、イエスさまのへりくだって仕える生き方、神と人とを愛する生き方そのものを示しています。それがイエスさまの軛です。イエスさまは私たちが日々抱えている重荷を共に背負い、私たちに仕えて、共に寄り添って歩んでくださる方です。そういう温かい関わり(天の国の交わり)が私たちを再び立ち上がらせ、元気を取り戻していく力となり、生きる喜びになります。背負っている重たい荷物も二人で分け合えば軽くなるように、イエスさまの「柔和で謙遜」な仕える生き方を身に付けて共に歩む関わりを互いに築いてくことによって、その軛は負いやすく(心地良く)、その荷は軽くなり、安らぎを得られると、イエスさまは約束しています。






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