2022年11月28日「今日のワン」メッセージ
「目を覚ましていなさい」
目隠しをして、その場に立って足踏み50回した時、元の位置から離れたところに移動している。その原因は、目隠しすることで外からの情報を遮断されることにある。私たちの日常生活は様々な情報にあふれ、それを取り入れて生活している。情報は私たちの生活の生命線と言える。大切なのは、情報の選択と使い方。それが私たちの生き方となり、これからの社会の未来につながる。「だから、目を覚ましていなさい(マタイ24・42)」とイエスさまは言われる。「そのとき、畑に二人の男がいれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される。二人の女が臼を引いていれば、一人は連れて行かれ、もう一人は残される(マタイ24・41-42)」。同じように生活している人間に見えても、違いが現れてくる。「一人は連れて行かれ、もう一人は残される」なんて嫌だよね。やっぱり「共に」がイイ。イエスさまは私たちに「恐れ」を抱かせるために、こんなことを言っているのではない。「共に」がイイよね、という心を私たちに呼び覚ますために伝えている。「共に歩む社会」がイイよねって。
その生き方がイザヤの言葉に示されている。「主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない(イザヤ2・4)」。ニューヨークの国連広場の壁に刻まれているこのイザヤの言葉。争いの武器となる剣と槍を、平和の道具である鋤と鎌に変えるのは私たち。今、国連の軍事部担当トップである日本人、中満泉さんは言う。「今、国連が一番懸念していることは、新たなAIを用いた軍事力競争が高まるこの世界にあって、どのようにして新たな国際法のルールの手立てを見い出していくかが急務となっている。2030年にはAI軍事力開始を宣言している国々がある。そして、もし第3次世界大戦が起こるとすれば、それは核戦争をも凌駕するAIを用いたサイバー攻撃による『グレーゾーン戦争』だと、私たちは考えています」と言及している。新たな戦争の在り方に対して、それを防ぐ新たなルールが求められている。陸・海・空において両国が武力衝突することは、両国にとっても大きなリスクとコストを担うことにある。だから、AIによるサイバー攻撃によって、敵国の社会生活の基盤となるライフラインを制御し、社会にデマの拡散と分断をもたらす新たな戦争の時代がやって来ると言われている。すでに、その兆候が世界で起きている。

ベストセラーとなったイスラエル人の歴史学者ユヴァノ・ノア・ハラリの著書「ホモ・デウス(人間が神となる)」は世界各国の指導者や経営者の関心を集め、個人や各国が、国際社会が協力して、独裁政権や特定の企業がこのAIを駆使した軍事力を独占することがないようにと民主主義の役割を強調している。「情報を制する者は、戦い(世界)を制す」と言われるが、AIは私たちにとって鋤にもなれば、剣にもなる。AIが私たちの生活にもたらす便利さ・快適さ・効率さを享受しながらも、「共に歩む社会」に向かって「目を覚まして」いなければならない。今日のみことば:「主の山に登り、ヤコブの家に行こう。主は私たちに道を示される。わたしたちはその道を歩もう。ヤコブの家よ、主の光の中を歩もう(イザヤ2・3,5)」
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