2022年6月5日「今日のワン」メッセージ
「背中で伝える」

サウナに行くと、時々カラダに刺青(入れ墨)が入った客と出くわすことがある。そこから数時間の裸の付き合いを過ごすことになる。上半身両腕半分から前は肩甲骨から胸のあたりまで、そして後ろは背中全面にわたって太もものあたりまで、見事に華やかな刺青が入っている。横目で「チラっ!」と見たり、頭をシャンプーしながら鏡越しに映る背中の
刺青をガン見することがある。どうして背中に刺青をするのか。桜吹雪の遠山の金さんもそうだっけ、、、。日本人が背中に刺青をするのは、カラダの部分の中で背中の面積が広いから刺青を入れやすいと思っている人もいるかもしれないが、そうではないらしい。日本人にとって背中は「表」だと考える文化があるからだという。私たちは顔や口や胸が見える体の部分を表だと考えやすい。しかし、前面は「裏」であって、自分では見ることのできない後方にある背中こそが「表」だと。外国人はその逆で背中に刺青(タトゥー)を入れるという考えはないらしい。ひと目につく腕や前面に刺青を入れるんだと。背中が「表」、大切な心得かもしれない。「背中で語る」、「子は親の背中を見て育つ」、「背中は口ほどに物を言う」とか表現もあるように、確かに背中はその「人となり」や「人生(生きざま)」のようなものを表しているように思う。W杯で初優勝した女子サッカーなでしこジャパンの澤穂希選手は連日の苦戦する試合の中で、他の選手たちに「苦しくなったら私の背中を見て!」と励まし、グラウンドを走り続けるその澤選手の言葉と背中が若い選手たちを力づけ勇気を与えたという。それが信頼へとまたつながる。背中には不思議な「伝える力」がある。
イエスさまは、神さまの愛に満ちた言葉を弟子たちに伝え、その神さまの愛を身をもって背中で伝えてくれた。イエスさまの背中はあったかい。黙して十字架を背負うイエスさまのあの背中から神さまの温もりが伝わってくる。幼い頃、自分をおんぶしてくれたであろう母の背中も、今では曲がっている。前ばかり見ていると小言がでてくるが、カートを引くあの曲がった背中を見ると何も言えなくなることが度々あった。あの背中には勝てない。ただただ感謝だけが込み上げてきて、支えたくなる気持ちが湧いてくるから不思議だ。最近では、赤ちゃんを前で抱っこするのが主流のようだが、おんぶも時には良いと思う。背中で伝える子育ても忘れないようにしてもらいたいと思う。写真は、いつ撮ったか忘れたけど、ある人の背中。いろいろ背負ってくれている哀愁ただよう背中。顔よりも背中のほうがイイね!どうですか?皆さん、何か伝わってきますか。
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