2022年4月29日「今日のワン」メッセージ

「ゼノ、シヌヒマナイ!」
先日も記したが、4月24日はコルベ神父と
ヒラリオン神父、ゼノ修道士一行が長崎大浦に上陸した記念日。この日はゼノ修道士の命日(1982年4月24日)でもある。ゼノ修道士のお墓は東京府中のカトリック霊園にあり、東京にいた学生時代は毎年11月死者の月には墓参りに行ったものだ。私が大神学生に入った頃、神学生個室部屋が並ぶ廊下のつきあたり、ちょうどチャペルの香部屋の横に「ゼノ修道士」と書き遺された表札の部屋の扉があったのを記憶している。かつてゼノさんが使用していた部屋なんだと思い、部屋の中を覗きたくてドアノブに手を掛けてもロックされていた。どうしても諦められなかった私は、部屋の立地から見て隣の香部屋から入れるのではないかと思い、香部屋の奥の方に向かうと、そこの壁に個室部屋と同じ扉があった。ゼノ修道士の部屋の扉だけが残され、中は解体されて、香部屋になっていたわけである。「残念!」
ゼノさんは奄美にも来たことがある。ゼノさんは戦争孤児たちのために働いた。ゼノさんは、当時共に生活していた会員の兄弟たちに、このように語っていた。
「神様から私たち人間は、すばらしい心を与えられている。しかし、人間は自分を大事にするあまり、そのすばらしい心が眠ってしまっている。ワタシ、タノミマス。『貧しい人たちがいます。飢えているから、パンをください。寒さに震えているから、モーフをください』 。そう言われた人たちは、『助けてあげようか』とイイココロを持つ人もいる。しかし、『私にはカンケイない。わたしのせいじゃない。助ける必要ない』とツメタイココロもある。私の言葉は、その人たちにとってバクダンとなる。その人たちの心の中で戦争が始まる。でも、たいていの人たちは「イイ、ココロが勝つ」。こうしてわたしは持っている人から譲り受け、持たない人に与えます。材木をもらう。コメをもらう。瓦をもらう。ほとんど成功しました。」
しかし、ゼノさんは自分の言うことを聞いてくださったとは言わない。その人が、神様から頂いたイイココロが働いたと言う。ゼノさんは、「その人が、良い心で働くように仕向けるのが宣教師です」と言っていた。「わたしは宣教師です。パンをもらうことでない、瓦をもらうことでない、わたしは宣教師です」と、これがゼノさんの名言だった。ゼノさんは、今でも「シヌヒマナイ!」。共に働いている。
今日のみことば:「イエスはフィリポに、『この人たちに食べさせるには、どこでパンを買えばよいだろうか」と言われた。」(ヨハネ6・5)
Commenti