2022年3月28日「今日のワン」メッセージ
「簿記会計の父」

年度末になると、法人会計の仕事が少し慌ただしくなる。今ではクラウド会計なので、いつでもどこでも仕事がで
きるので助かる。この仕事をするようになって、空白の時期を除いてかれこれ12年になる。若い会員の役回りだ。地味な仕事なので、自分には合っているような気がする。面倒に感じる時もあるが、「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われるように、苦しい時は成長の時だと思いながらするし、するなら楽しんだほうがいいと音楽を聴きながらすることもあるし、何よりもおかげで色々と学ぶことができたことに感謝している。私の霊名はルカだが、何の縁だか、「簿記会計の父」
と呼ばれる我らのフランシスコ会員である修道者の名が「ルカ・パチョーリ」である。簿記について学ぶ時は、必ずこの名を知ることになる。ルカ・パチョーリは15世紀のフィレンツェの生まれで、商業に携わる会計を学び、数学者としても有名。当時、ベネチアやフィレン
ツェの商人たちは、それぞれの手法で簿記をつけていたが、ルカ・パチョーリはその簿記の手法を一つにまとめて、それを学術的に説明して、「決算書の作り方はこうするんだよ」、「総勘定科目の付け方はこうするんだよ」と教えた人。それが世界中に広まり、今日に至っている。ルカ・パチョーリは同郷であるレオナルド・ダ・ヴィンチと仲良しだった。画家としての才能があったダ・ヴインチだったが、同業者からその才能を妬まれ、いじめを受けて、故郷を離れ、ミラノに赴く。その当時、新興国であったミラノの王様はパトロンとして才能豊かなダ・ヴィンチを雇い、それで生計を立てていた。その時に、同じように招待を受けてミラノに来たのがルカ・パチョーリで、そこで二人は出会う。ダ・ヴィンチはルカ・パチョーリから幾何学的な遠近法や数式を学び、そしてあの立体的な、当時では新しい手法を施した「最後の晩餐」の絵を描いた。ルカ・パチョーリとの出会いがなかったら、最後の晩餐は生まれなかったと言ってもいい。修道服を身にまっとたルカ・パチョーリの絵の左には、数式された多面体の挿絵が描かれているが、あれはダ・ヴィンチからプレゼントされた挿絵を意味している。福音書を記したルカは、医者であり画家でもあり、そこに会計簿記の父であるルカ・パチョーリとレオナルド・ダ・ヴィンチとの繋がりがあることに不思議な縁を感じる。その縁が、日々の経理業務を行う原動力にもなっているような気がする。「不思議だな~」。
今日のみことば:「役人は、『主よ、子供が死なないうちに、おいでください』と言った。
するとイエスは『帰りなさい。あなたの息子は生きる』と言われた。役人は家に帰る途中、
息子の病気が良くなったことを知った。それは、イエスが『あなたの息子は生きる』と言われた時刻と同じであった。」(ヨハネ4・49-53)
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